OEMハンドクリームを作る5つのポイント!費用相場や小ロットについても解説

OEMハンドクリームを作る5つのポイント!

OEMを活用したハンドクリームは、自社ブランドの商品を比較的低リスクで展開できる手段として、多くの企業が取り入れています。

製造設備や専門知識がなくても始められる一方で、ターゲット設定や商品設計を誤ると、思うように売れず在庫だけが残ってしまうケースも少なくありません。

ハンドクリームは需要が安定している商材ですが、「高保湿」「日常使い」「香り重視」などニーズが細かく分かれており、どの層を狙うかによって適切な成分やテクスチャー、パッケージは大きく変わります。

この記事では、OEMハンドクリームの需要や種類、費用相場、納期、メーカーの選び方を整理したうえで、実務ベースで失敗しない商品開発の進め方を解説します。

目次

ハンドクリームの需要とは?

ハンドクリームの需要は、一般的には乾燥対策や美容目的が中心です。

特に秋冬は手の水分が奪われやすく、ひび割れを防ぐために使われます。また、香りや使用感によるリラックス目的で取り入れる人も多く、日常的なケア用品として定着しています。

そして、美容目的のなかでもいくつかのニーズに分かれます。

高保湿・ダメージケア重視のニーズ

1つ目は「高保湿・ダメージケア重視」のニーズです。乾燥や手荒れを防ぐことが目的で、しっとりとした使用感や保湿力の高さが重視されます。尿素やセラミド、グリセリンなどの保湿成分を強化し、やや重めのテクスチャーに設計することが有効です。

使用感・日常使い重視のニーズ

2つ目は「使用感・日常使い重視」のニーズです。仕事中や外出先でも使いやすさが求められ、「ベタつかない」「すぐにスマホを触れる」ことが重視されます。この場合は、水分ベースを強めたさらっとした使用感や、コンパクトな容器が適しています。

香り・リラックス重視のニーズ

3つ目は「香り・リラックス重視」のニーズになります。ハンドケアと同時に気分転換や癒しを求められ、香りの質や持続性、パッケージのデザイン性が購買の決め手になります。天然精油を使ったナチュラル志向や、ギフト用途を意識した高級感のある設計が効果的です。

OEMで商品を開発する際は、どのニーズを狙うのかを明確にしたうえで、成分・テクスチャー・香り・容器設計を最適化することが重要です。

OEMで製造できるハンドクリームの種類

OEMで製造できるハンドクリームの種類について、特徴や価格帯は以下の表の通りです。

種類特徴
保湿タイプ基本的な保湿成分を中心に配合したシンプルな処方。製造コストを抑えやすく、量販向けとして展開しやすい。
低刺激・無香料タイプ香料や刺激成分を抑えた設計。業務用や敏感肌向けで安定した需要がある。
高保湿タイプシアバターやワセリンなど油分を多く配合。しっとり感が強く、乾燥対策を明確に打ち出せる。
薬用タイプ(医薬部外品)有効成分を配合し手荒れ改善を目的とする。機能性を訴求しやすいが、開発期間が長くなりやすい。
美容・エイジングケアタイプ美白や保湿成分を強化し付加価値を高めた設計。パッケージと組み合わせて高単価化しやすい。

なお、ハンドクリーム以外にもOEMを活用することで、シャンプーや化粧水も製造できます。あわせて「シャンプーのOEMメーカーの選び方とは?」や「化粧水のOEMメーカーの選び方とは?」も参考にしてください。

OEMハンドクリームを製造するメリットとは?

OEMハンドクリームを製造するメリットには、以下の3つがあります。

  • 製造設備が不要ですぐに始められる
  • 常温で長期保存でき、ECサイトなどでも販売しやすい
  • オリジナル商品を作ることで再来店のきっかけになる

それぞれを詳しく解説していきます。

メリット①製造設備が不要ですぐに始められる

通常、化粧品を製造・販売するには自社工場などの設備にくわえ、「化粧品製造業許可」や「化粧品製造販売業許可」といった許可が必要です。

しかし、OEMを利用すれば自社に設備がなくても製造を任せられます。OEMメーカーがこれらの許可を取得しているため、知識ゼロからでも最低限の予算でスムーズに事業を始められるのが大きな魅力です。

なお、OEMについては、「OEMとは?メリット・デメリットから成功事例まで徹底解説」の記事で詳しく解説しています。

メリット②常温で長期保存でき、ECサイトなどでも販売しやすい

ハンドクリームは未開封であれば、長期間の品質を保つことができ、冷蔵設備も不要なため保管コストがかかりません。

また、梱包が手軽で郵送中に破損するリスクも少ないため、自社のECサイトなどで全国に向けて販売しやすいというメリットがあります。

メリット③オリジナル商品を作ることで再来店のきっかけになる

ハンドクリームは石鹸などと同様に単価が比較的低く、手軽なプレゼントとしても活用しやすいアイテムです。

自社の店舗でしか買えないオリジナル商品を作ることで、「このお店でしか手に入らない」という希少価値が生まれ、ハンドクリーム目当てにリピート購入や再来店を促すきっかけ作りになります。

さらに、季節限定の香りやパッケージを展開することで、新商品を目的とした来店も促しやすくなり、単発の購入で終わらない仕組みを作ることが可能です。

OEMハンドクリームを製造するデメリットとは?

OEMハンドクリームを製造するデメリットには、以下の2つがあります。

  • 製造を委託するため自社の製造技術が成長しない
  • OEMメーカーの原価変動によって製造コストが左右される

それぞれを詳しく解説していきます。

デメリット①製造を委託するため自社の製造技術が成長しない

OEM企業に製造や品質管理を一括して任せるため、自社内に製造ノウハウや技術が蓄積されないというデメリットがあります。

また、顧客から成分についての詳細な質問やクレームがあった際、自社ですぐに回答できずOEMメーカーへ確認をとる必要があるため、対応スピードが遅れてしまうリスクも考慮しておく必要があります。

デメリット②OEMメーカーの原価変動によって製造コストが左右される

近年、人件費や原材料費、光熱費などが上昇傾向にあります。自社工場で製造していれば工夫次第でコストカットが可能ですが、OEMの場合はメーカー側に依存しているため、安易なコスト削減はできません。

世界情勢や原料価格の変動にともなって、納入価格が急に上昇する可能性がある点には注意が必要です。

OEMハンドクリームの費用相場

OEMでハンドクリームを製造する場合、スキンケア化粧品などと比較して小ロットで安価に始めやすいのが特徴です。

全体の費用相場は「何本発注するか」で決まりますが、最低ラインとして100本の小ロットが一般的です。

単価はいくらになるのか

1本あたりの製造単価は、発注するロット数(本数)が増えるほど安くなります。

まずは小ロットで確実に売れる実績を作り、徐々に発注数を増やして1本あたりの単価を下げていくのが、利益率を高める基本的な進め方です。

費用の内訳

ハンドクリームの費用の内訳は、主に以下で構成されています。

項目内容の説明コストを抑えるポイント
バルク(中身)代クリームのベースや、配合する美容成分の費用既存処方を流用する。高価な成分を減らす。
容器代チューブやジャーなどの費用オリジナル形状を避け、メーカーの既存容器を選ぶ。
パッケージング代容器への印刷、ラベルシール、化粧箱の費用ラベルシールや化粧箱なしにする。
その他試作品の作成費や送料など試作回数を最小限に抑える。

OEMハンドクリームの納期はどれくらい?

ハンドクリームのOEM製造にかかる納期(期間)は、どのような方法で開発するかによって大きく2つのパターンに分かれます。

  • メーカーの「既存の処方」を活用:約3ヶ月〜6ヶ月
  • ゼロから「完全オリジナル」で作る場合:約6ヶ月〜1年以上

すでにOEMメーカーが持っている完成済みの成分をベースにして、香りなどを少しだけアレンジする方法です。時間のかかる安全性のテストなどを短縮できるため、もっとも早く商品化できます。

一方でゼロから「完全オリジナル」で作る場合は約6ヶ月〜1年以上かかります。

理想のテクスチャーや成分をイチから開発する場合、何度も試作を重ね、品質や安定性のテストを行うため、最低でも半年から長い場合だと1年以上の期間が必要です。

なお、ハンドクリームによく使われる「チューブ容器」は、オリジナルで作ろうとすると資材の調達だけで2〜6ヶ月ほどかかることがあります。

短期間で納品を希望する場合は、OEMメーカーがすでに在庫として持っている「既存の容器」の利用を検討しましょう。

OEMハンドクリーム業者の選び方とは?

OEMハンドクリーム業者の選び方には、以下3つのポイントを確認することが重要です。

  • 自社の予算に合う小ロット発注に対応しているか
  • 希望する成分や独自の処方技術(テクスチャー・香りなど)を持っているか
  • 企画からパッケージ・化粧箱の包装まで一貫して依頼できるか

それぞれを詳しく解説していきます。

選び方①自社の予算に合う小ロット発注に対応しているか

一般的なOEMにおける「容器」のロットは3,000本〜ですが、在庫リスクを抑えるため100〜1,000本で対応可能なメーカーもあります。

ただし、小ロット製造は「1本あたりの単価高騰」や「既成容器へのラベルシール対応になる」といった制約が伴うことがあります。単に小ロットで作れるかだけでなく、自社の採算に合うか、将来的な大ロットへの移行が可能かを見極めてメーカーを選定しましょう。

選び方②希望する成分や独自の処方技術(テクスチャー・香りなど)を持っているか

メーカーによって得意とする技術は異なります。たとえば、天然由来の香りづけが得意な企業や、独自製法で高品質なプラセンタエキスを配合できる企業などがあります。

自社のターゲットが求める香り、テクスチャー、成分を実現できる高い処方技術を持つメーカーを選定しましょう。

選び方③企画からパッケージ・化粧箱の包装まで一貫して依頼できるか

ハンドクリームは中身のバルクだけでなく、容器、ラベル、化粧箱など複数の要素で構成されています。

これらを別々の業者に頼むと手間やコストがかかるため、企画から中身の製造、パッケージデザイン、最終的な包装まで一貫して対応してくれるOEMメーカーを選ぶとスムーズです。

OEMハンドクリームを企画・開発する5つのポイントとは?

OEMハンドクリームを企画・開発するポイントには、以下の5つのポイントを確認することが重要です。

  • ターゲット層が重視する使用感や機能性を調査する
  • 多機能ケアやサステナブルなどの最新トレンドを取り入れる
  • 肌悩みに合わせた成分(プラセンタ・尿素・ビタミンなど)を配合する
  • 利用者の満足度を左右する香りとテクスチャーにこだわる
  • 在庫リスクを減らすために小ロット発注から始める

それぞれを詳しく解説していきます。

①ターゲット層が重視する使用感や機能性を調査する

消費者がハンドクリームを選ぶ際、価格以上に「機能性」や「使用感」を重視していることがあります。「どれだけ保湿成分が高くてもベタつくのは嫌」という利用者もいるため、ターゲット層のニーズを分析したうえで商品を設計しましょう。

使用感は、以下の点を確認するとよいでしょう。

  • ベタつかないか
  • 伸びやすいか
  • 塗った後すぐに作業できるか
  • どの程度の保湿力があるか

OEMメーカーへの依頼時も、使用シーンで伝えると試作精度が上がります。

②多機能ケアやサステナブルなどの最新トレンドを取り入れる

近年のトレンドとして、単なる保湿だけでなく、エイジングケアや美白効果も兼ね備えた「多機能・美容効果重視タイプ」が人気を集めています。

また、環境や肌に配慮した天然由来成分、エコ素材のパッケージといったサステナブル志向を取り入れることも、消費者の関心を惹きつける有効な手段です。

③肌悩みに合わせた成分(プラセンタ・尿素・ビタミンなど)を配合する

ターゲットが抱える手荒れの悩みに合わせて、適切な成分を配合しましょう。

肌の再生力を高めハリを与える「プラセンタ」、硬い角質を柔らかくする「尿素」や保水力の高い「グリセリン」、血行を促進して肌のターンオーバーを整える「ビタミン系」などを目的に応じて使い分けることがポイントです。

重要なのは、「1商品1テーマ」に絞ることです。複数の効果を詰め込みすぎると訴求がぼやけ、結果として売れにくくなります。

④利用者の満足度を左右する香りとテクスチャーにこだわる

一般的に「のびがいい」「保湿するのにさらさら」といったテクスチャーが高評価となり、「ベタつく」「テクスチャーが硬い」といった点が低評価になる可能性があります。

適度なとろみをつけるなど、使い心地に徹底的にこだわりましょう。また、ターゲットに合わせて心地よい香料をブレンドするか、無香料にするかの設計も重要です。

⑤在庫リスクを減らすために小ロット発注から始める

いきなり大量に製造して売れ残ってしまうと、大きな在庫リスクを抱えることになります。次のように進めることを検討してください。

  • 初回:100〜1,000本
  • 反応が良ければ増産
  • 売れない場合は仕様を修正

OEMハンドクリームを発注する流れとは?

OEMハンドクリームを発注する流れには、以下の5つのステップを確認することが重要です。

  • OEMメーカーとの打ち合わせ
  • 試作品の提出とフィードバック
  • 見積もりの確認とロット数の決定
  • 正式な発注と契約
  • ハンドクリームの製造と納品

それぞれを詳しく解説していきます。

①OEMメーカーとの打ち合わせ

まずはオンラインや電話、対面などでOEMメーカーと打ち合わせを行います。この段階で、ターゲット層や希望する処方、パッケージのイメージ、最小ロット数などの要望を細かくすり合わせます。

また、この段階で化粧品・医薬部外品の区分や表示内容など、薬機法に基づく申請・表記ルール(※)についてもOEMメーカーとすり合わせておくことが重要です。

(※)参考:厚生労働省:「医薬品等の広告規制について」

②試作品の提出とフィードバック

打ち合わせで決まった内容をもとに、OEMメーカーが試作品を製造して提出してくれます。

実際に試作品を肌に塗り、テクスチャーや香り、保湿力などを確認してフィードバックを行い、理想の商品へと改善を重ねます。

③見積もりの確認とロット数の決定

試作を重ねて処方が確定した段階で、メーカーから最終的な見積もりが提示されます。自社の予算と照らし合わせながら、無理のないロット数(発注数量)を決定します。

④正式な発注と契約

見積もりの内容とロット数に双方が合意できたら、正式に発注を行い契約を締結します。

契約時には、製造販売元の名義や表示内容の責任範囲、不良品発生時の対応なども事前に確認しておく必要があります。

⑤ハンドクリームの製造と納品

契約後、メーカーの工場にて製造工程がスタートします。厳しい品質管理のもとでパッケージングまで完了した商品が指定の場所に納品され、いよいよ販売開始となります。

まとめ:OEMハンドクリームでビジネスを成功させるためのポイント

OEMハンドクリームで成功するには、ターゲットのニーズに基づいた商品設計と、それを実現できるOEMメーカーの選定を考えることが重要です。

どちらか一方だけでは不十分であり、両者が噛み合って初めて売れる商品として成立します。

ハンドクリームは手軽に購入される一方で、使用感や満足度が低い場合はリピートにつながりにくくなります。

そのため、「誰が・どのようなシーンで使うのか」を起点に、ベタつきの有無や保湿力、香り、パッケージといった要素の設計が必要です。この点が明確でないまま進めると、特徴のない商品になり、価格競争に陥る可能性があります。

また、その設計を実現できるかどうかはOEMメーカーに大きく依存します。価格やロット数だけではなく、希望する使用感を再現できるか、納期やロット条件が自社の計画に合っているか、パッケージまで一貫して対応できるかといった点で見極めることが重要です。

ターゲットに合わせた商品設計と、それを確実に形にできるメーカー選定を同時に最適化することが、OEMハンドクリームで継続的に売上を伸ばすためのポイントです。

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